拡大する携帯市場と伸び率の大きいスマートフォン
iPhoneやAndroidは世界規模の非常に大きなプラットフォームです。世界中で幅広く使われるソフトの開発が最も大きなリターンを得る機会を提供することになります。日本の携帯市場の一部とかいうレベルではなく、市場規模が全く異なるのです。
世界の携帯市場
日本人が全員使っても、1億台ですが、世界の携帯契約数は2009年末で46億契約ということです。矢野経済研究所の調査によると、世界の携帯市場は毎年世界で10億台以上が販売されています。このデータと世界の契約数から考えると、携帯の20%相当が買換え等で購入されていることになります。携帯市場の10%がスマートフォン(iPhoneやAndroid)になったとしても、5億台に達する規模なのです。
競争激化とサービスの向上
売れるソフトを作れば、その5億台のスマートフォン市場にアクセスできることになります。魅力的な市場ですし投資が多い反面、競争も激しくなるでしょう。良いソフトができる筈です。大きな市場が魅力的であるため、企業は戦略的にも大胆な行動を取れります。通信キャリアのネットワークが使われるのか、Wifiがもっと浸透するのかは別として、SIMなしでの起動が当然になり、さらにSIMロックフリーまで行くのも時間の問題でしょう。スマートフォンの将来は携帯キャリアとも必ずしも結びつかないのです。
競争領域
スマートフォンの大きな競争領域は3つあります。そのどの分野でも魅力が一杯なのです。
- 携帯端末(ハード)の競争
- キャリアの競争
- アプリケーションソフトの競争
端末市場も世界市場という魅力的なものです。キャリアにとってもデータ通信量の増大は大きなチャンスです。インターネット市場は、固定回線から無線通信が主流になるのは時間の問題です。キャリアにとっては、インターネット接続の主戦場を無線通信市場に変更しての”定額ネット接続サービス”が主な戦場になるでしょう。そして、その膨大な数の携帯端末上で動作するアプリケーション市場はさらに大きな市場となるでしょう。私がiPhoneとXperiaを購入してからアプリケーションソフトに使ったお金は半年で一万円程度です。これからもそれほど大きくは増えないでしょうが、良いソフトがあれば多くの人が購入します。ちなみに、この一年はPC用のソフトには一円も使っていません。
日本はどの領域で競争するのでしょう?
国内のキャリア間の競争はあります。アプリケーションソフトの提供もあります。アプリ市場は非常に美味しいのですが、実際にはプラットフォームを提供しているAppleとGoogleに押さえられています。ハードウェア市場はあるでしょうが、国内の市場しか考えられない感覚では世界市場で競争するためのコスト競争は不可能です。最初からグローバル競争に打って出る価格設定やコスト計算が必須で、AndroidではWindows PCが辿った道と同じ、薄利多売の覚悟が必要です。そうすると、可能性が大きいのはアプリケーション市場です。
スマートフォン創世記?
日本でも、AppleやGoogleのような企業が出ないとは思えません。チャレンジすれば魅力的な市場で大きく伸びるチャンスはあるのです。パソコンが出始めたときに可能性に飛びついたのは、現在のマイクロソフトやAppleの創業者です。スマートフォン市場は、まだまだ若く、私にはパソコン創世記から少し発展した程度の段階のように感じられます。
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