2010年10月11日月曜日

Xperiaの電池充電プロファイル

Xperiaの充電プロファイルがどうもおかしい。(些細なことですが原因を調べないと気がすまない。)

夜、寝る前に充電を開始しても、朝100%になっていない。
充電プロファイルを調べてみると、100%になると暫くして放電がはじまり、90%まで減少すると、また充電というサイクルを繰り返している。そのため、朝タイミングが悪いと90%までしか充電していない状況で利用することになってしまう。

疑問なのは、充電中の放電スピードが異様に早いことです。
夜間は利用していないのであるから、充電器につながれていない状態と同じ放電レートであれば良いのだが、ほぼフルの状態で利用しているのと同じようなレートで放電されている。つまり、強制放電をされているのではないかと思われる。これは、バッテリー寿命に悪いだけでなく、エネルギーの無駄です。

『JuicePlotter』で記録した下のグラフを見てほしい。昼に、利用していないで放置していた状態がバッテリーがあまり減少しないフラットな状態です。それに比べ、充電中は、100%に充電されて1時間ほどたつと、利用状態に近いレートで急激にバッテリーが減少している。設定は、夜間も昼間も同じであり、単に充電器のUSBケーブルがつながっているだけです。この日はタイミングが悪く、90%充電からスタートする結果に。


結果として、夜間の充電は適切ではなく、寝る前に充電を終わらせるか、タイマーをつけて充電するしかないということだろうか? なんとも不可解な挙動です。


少しリチウムイオン電池について調べてみましたら、原因らしきものが見つかりました。

リチウムイオン電池が液体の電解質の一般的な「リチウムイオン電池」なのか、導電性のポリマーを用いた「リチウムポリマー電池」なのかが気になりましたが(おそらくiPhone4と同じリポだと思いますが)、どちらも充放電特性等については差がないようですのでリポも含まれるリチウムイオン電池として考えます。

<リチウムイオン電池の特性>
リチウムイオン電池の特性で注意すべきことは以下の点です。
・リチウムイオン電池の寿命は、300サイクルでおおむね70~80%、500サイクルでおおむね50~70%となります。
・1回の充電とは、継ぎ足し充電をしてもその総和が100%となるところで1回とカウントされます。
・リチウムイオン電池は、継ぎ足し充電しても電池寿命に影響がない。むしろ、高温で100%充電の維持や長時間保存が寿命を短くします。
・リチウムイオン電池の電圧は、2.2V(ほぼゼロ充電)から4.3V(100%受電)の間で変化しています。
・過放電をすると電池を破損し再充電できなくなります。
・過充電も電池を破損し寿命が短くなる(爆発の危険もあり)
・過放電する前に出力を遮断する、過充電防止制御回路、短絡等での加熱を防止するための温度ヒューズ機能等、電池内に安全回路が組み込まれています。

<外部充電器は単なる5V電源で何もインテリジェントなことはしていない>
ひとつはっきりしていることは、先のプロファイルはパソコンのUSBにつないでも同じように再現されますので、これは充電器の特性ではなく電池あるいはXperiaの充電回路も含めた特性のようです。最初は充電器の特性を疑っていたのですが・・・・。充電器の出力はUSBだから5Vかなと思い、確認すると確かに5Vでした。特別な充電器ではなく普通の電源でした。するとUSBの電圧5Vをリチウムイオンの充電に使うためにどこかで4.2Vまで電圧を下げているということですね。

<リチウムイオン電池の充電器の保護回路>
電池自体の保護回路があやしい気がしてきましたので、リチウムイオン電池の充電器の保護回路の特性を調べました。
以下はパナソニックのリチウムイオン電池充電ICの過充電・過放電・過電流保護回路の資料です。
リチウムイオン電池保護回路の例(パナソニック)

この資料には参考設定例が出ています。それによると以下の設定になっています。
1セル電圧が4.30±0.05V以上で充電停止
1セル電圧が4.10±0.05V以下で充電停止解除
これが、今回の原因ではないかと推察されます。Xperiaの電池の場合、ちょうど100%と90%に相当する電圧に設定されているということでしょう。

<残る疑問点>
先のプロファイルの「100%から90%への変化は過充電を防ぐにしては放電が早すぎる」ということが疑問点として残っています。ここはXperiaが消費しているとは思えないのです。なぜなら私のXperiaでは、98%程度から95%まで、スタンバイ状態なら2時間以上かかるのです。

<結論ではないですが>
ということで、少し勉強なりましたが電池自体の充放電保護回路の特性であれば諦めるしかなさそうです。iPhone4は充電後は100%を維持してますが、使っている電池の保護回路の特性あるいは設定の違いでしょうか。Xperiaの電池は90%まで放電したら再充電せずにそのまま維持してくれれば諦めもつきますが・・・ちょっと不満ですね。

電池を換えれば、この充電プロファイルは当然変わるのでしょうね。

iPhoneでこのような現象が見られないのは電池の設定までチューニングされているのでしょうか?
アンテナ問題を考えると、この程度のことでもiPhoneなら大騒ぎをしそうな気がします。

追記:iPhoneの電池情報は非常に荒く、良いものでも5%精度、これほどの精度では測れていないことがわかりました。さらに、Androidなら当たり前な、このような充放電のプロファイル測定ができないこともわかりました。擬似マルチタスクのため、電池状態をバックグラウンドで測定してくれるソフトもありません。

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